謎の走行音

ノイズキャンペーンには様々なレベルがあります。

夜中に寝る前にトイレに入ると、9割以上の確率でオートバイの甲高いエンジン音が響いたり、救急車のサイレンが聞こえてきます。

ほぼ毎日ですから、これはタイミング的にも頻度的にも明らかにおかしいわけですが、おかしいのはそれだけではありません。

夜中に寝るタイミングに甲高いエンジン音や排気音が聞こえるのはいつものことですが、その後、これは稀にですが、通り過ぎて消えるはずの走行音が消えずに、数時間聞こえ続けることがあります。

車のエンジン音やタイヤのロードノイズ、排気音のようなものなどの走行音が、どこか遠くの方から響くようにずっとゴォーーーとかウォーンと聞こえてくるのです。

まず深夜ですから、それは静寂から始まります。

静かな夜だなと思っていると、煩わしい甲高いエンジン音が通り過ぎます。
その後、かすかに走行音が残って続きます。
その車の走行音ではなく、その車のエンジン音はこの低ノイズが始まる合図に過ぎません。

静寂とノイズとの境界を分からなくするためでしょう。
静寂から徐々にノイズが始まると心理的なダメージがそれほどではないため、わずらわしい音を出してから低ノイズを出すと、余計にわずらわしく聞こえるようになります。

それを気にしていると眠れなくなりますから、たいていそのまま寝ますが、やはり深夜になんらかのノイズキャンペーンで頻繁に起こされます。


謎の走行音は1時間ほど続いて徐々に消えますが、それはロードノイズのようなものに、オートバイのエンジン音が続く音が混じることがあります。

オートバイのエンジン音のようなものは10秒おきに一瞬途切れ、また続きます。
それが本当の走行であるなら、延々と同じ距離を行ったり来たりしていることになります。
実際にそのような嫌がらせが行われることもあります。

ロードノイズについては延々と続くのはおかしなことです。
信号機がありますから、必ず途絶える部分がなければなりませんし、車がひっきりなしに1時間以上深夜に通り続けているというのもおかしな話です。

近隣の工場が走行音に似たノイズを出しているのではないかとも考えましたが、深夜にそのような騒音を出し続けることは考えにくいことです。

ある日、その謎の走行音の正体を確かめるために街中を移動してみました。

睡眠が少ない状態で次の日の仕事に臨まなくてはなりませんから、厳しい状況になりますがやむを得ません。

交通量の多そうな幹線道路は2キロ以内に2本あります。

謎の走行音は街全体に広がる感じで聞こえ、方向が良く分かりません。

なんとなく幹線道路の方から聞こえている感じだったので、そちらの方に向かいました。

その間、耳を澄まして謎の走行音の方角を確かめようとしていると、それを妨害するかのように周囲を頻繁に車が通りすぎます。
深夜に等間隔で車が通り過ぎるのは不自然ですが、いつものことですのでそのまま幹線道路を目指します。

午前1時、2キロ離れている幹線道路の交通量が見えるところまで来ると、車はほとんど通っていません。
30秒に一台通り過ぎる程度です。

そこから少し幹線道路に近づくと、すーっと謎の走行音は消えて静寂になりました。
わずか数メートル家の方角へ戻っただけで、また謎の走行音のようなものが聞こえ始めます。

家から幹線道路の近くまでの2キロの間、謎の走行音の音量は一定で、かすかに聞こえる程度ですが、それは煩わしい種類の音です。

家に戻り、午前2時近くになると少しずつ静かになりました。

完全には消えませんでしたが、そのまま眠りました。

最近、信憑性はわかりませんが、テレビでアポカリプティック・サウンドという謎の金属音の動画が流されているのを見ましたが、謎の走行音は地味なアポカリプティック・サウンドのようなものだと感じました。
こういった情報も、タイミングよく流されます。

このような音のコントロールはどのようにでも出来ます。

普段から音もなく死角から車が飛び出してきます。
車の音が聞こえるのはわずか数メートルまで近づいてからです。
そこまでは謎の風音のような音で車の音がかき消されて聞こえません。

よく考えれば、かすかな風音で車の走行音がかき消されるはずがありません。

これが音のコントロールです。
走行音だけでなく、声や電話の聞こえ方などもすべて、コントロールされる嫌がらせを受けます。

それは想像を超えるレベルでしょうが、いつものことですから、特に驚くことはありません。

なんでもないことに注意し続ける人生ですから、自分でも分からない疲労があります。
疲れていない時間はないような感じです。

常に謎の疲労感もあります。

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